←戻


心 象 風 景

俺には好きな奴がいる。












好きで。
好きで。
好きで。
どうしようもなく。










好きで。
好きで。
好きで。
殺したい程。














奴は笑いながら言う。
俺を好きだと。
あの不敵な笑顔で。
心には何を秘めているのか。
何故だかは分からない。
理由は知らない。
聞こうとも思わない。








唯、奴が好きで。
どうしようもなく。
心に秘めるのはもう…。
限界を感じえる程に。









周りから何を言われようとも。
この想いは止まらなくて。










殺したい。
奴を。











好きで。
好きで。
好きで。
好きだと言ったら。
死んでくれるのか。










視界が歪む程に。
時に目頭が熱くなって。
頬を濡らさないと決めた自分が。
不意に崩壊する。









奴が好きで。
とめどない程に想いは溢れ。
骸が融け。
想いと流れる程。









好きで。
どうしようもなく。
想いを伝える術も。
自分を変える一歩も。
踏み出せる訳もなく。
一定の距離を保ったまま。











このまま二人で。
遠くに行けたら。
何かが変わるのだろうか。











そんな変化を望んで。
望んで。
望んで。
望んでしまって。












望んでいる自分に。
不意に涙が零れた。

HIDEOUT1】蜘蛛さまより
蜘蛛さまより賜りました。これは本当にすごく好きなお話です。「庵は一点を突いたら崩れそうな感じがする」と蜘蛛さま自身も仰っていましたが、それが如実に伝わるのがまさにこれだと思うのです。庵のを支えているのは実は京自身で、それを自覚している京もうやむやと悩んでいるんだろうと思います。じっくりひとつひとつ言葉を噛み締めながら読むとひどく胸が痛みます。とにかくすごく好き。本当にありがとうございました。
←戻